前の記事で、複素数による各種パラメータの導出のまとめを書きましたが、公式が結構複雑に見えたという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、あれらの公式のうち、少なくとも
・内分点の公式
・垂線の足の公式
・トラバース点の公式
この3つは同じ形を成しているので、暗記(というか、慣れてくると暗記ですらなくなりますが…)するのは容易です。その形とは、たったのこれだけ。

(A点の座標 : Ax + i*Ay)
B = A + r∠θ
器械点の座標にr∠θを足す。土台となる基礎的な考え方は、たったのこれだけです。
これは、複素数の世界で「極形式」、またの名を「フェーザ形式」と呼ばれている記号です。
エルメスコットンポリードポーチ
ここで話を冒頭に戻します。
これさえ知っていれば、内分点の座標も、垂線の足の座標も、トラバース点も、全く同様の考え方で導出が出来るのです。私は、これこそがフェーザ記号の最大の醍醐味ではないかと思っています。
以下、順に見ていきます。
まず、内分点からです。A点とB点は既知とし、それらをm対nに内分するC点の座標について考えてみます。
Deeper スマートソナー PRO+ - GPS ポータブル ワイヤレス
AとBは既知ですから、まずはそれらをメモリーキーに格納します。
A = Ax + i*Ay
B = Bx + i*By
C = A +Abs (B - A)*{ m /(m+n) }∠Arg(B-A)
一見複雑ですが、順に見ていけば中身は非常にシンプルです。
まず、前半から見ていきます。
Abs (B - A)
これは、「B-Aの絶対値」、すなわち、「AB間の距離」を表します。CASIOの電卓では、「Abs」という名前のボタンでこれが算出出来ます。(絶対値を取っているだけなので、A-Bでも一緒です)
Abs (B - A) = √{(Bx - Ax)^2 + (By - Ay)^2}
次に、その後ろです。
*{ m /(m+n) }
というわけで、まずは∠記号の手前にある
Abs (B - A)*{ m /(m+n) }
の正体が分かりました。これはずばり、器械点Aから視準点Cまでの距離を表します。
続いて、∠記号の後ろ側を見ていきます。
Arg(B-A)
これで、∠記号の後ろの意味も分かりました。これは、AからBへの方向角、つまり、器械点Aから視準点Cへの方向角を表します。
以上、2つ合わせれば、先ほどの式の意味はもうOKでしょう。
再掲します。
C = A +Abs (B - A)*{ m /(m+n) }∠Arg(B-A)
器械点の座標にr∠θを足す。基本通りの形です。
この場合、
r = Abs (B - A)*{ m /(m+n) }
θ = Arg(B-A)
ですね。これが、内分点の導出法です。
次は垂線の足について。今度はA点、B点、C点を既知とし、P点を未知とします。

この図のP点を求めてみます。まず、先と同様に、
A = Ax + i*Ay
B = Bx + i*By
C = Cx + i*Cy
とし、これらをメモリーに格納します。
まず、直線ACと直線ABとの挟角を求めます。
やり方は簡単で、一方の偏角からもう一方の偏角を引くだけです。
ここでは、この差の値をαと呼ぶことにしましょう。
Arg(B-A) - Arg(C-A) = α
場合によってはαがマイナスになることもありますが、その場合はαに360度足してあげてください。計算については、それで支障が出なくなります。
ここまでくればもう終わったも同然です。
P点はずばり、こうなります。
P = A + Abs(C-A)cosα∠Arg(B-A)
一つひとつ紐解いていきましょう。
まず、∠の手前から。
Abs(C-A)
これはAC間の距離ですね。これにcosαをかければAP間の距離になります。
これが分からないという方は、cosの定義を思い出してください。

というわけで、まずAbs(C-A)cosαは、器械点Aから視準点Pまでの距離を表します。
続いて、∠の後ろ。
Arg(B-A)
もう説明不要だと思います。器械点Aから点Bまでの方向角、つまり、器械点Aから視準点Pまでの方向角です。
これでもう、式の意味はOKですね。
再掲します。
P = A + Abs(C-A)cosα∠Arg(B-A)
器械点の座標にr∠θを足す。基本通りの形です。
この場合、
r = Abs(C-A)cosα
θ = Arg(B-A)
です。

もう、お約束の流れです。既知点の座標をメモリーに格納します。
A = Ax + i*Ay
B = Bx + i*By
これで終わったも同然です。
C点はこうなります。
C = A + r∠(Arg(A-B) + α - 180°)
順に見ていきましょう。
∠の手前のrは説明不要ですので、後半を見ていきます。
Arg(A-B) + α - 180°
これさえ分かれば、もう大丈夫だと思います。
再掲します。
C = A + r∠(Arg(A-B) + α - 180°)
器械点の座標にr∠θを足す。これまで同様、基本通りの形です。
この場合、
r = [与えられた値]
θ = Arg(A-B) + α - 180°
です。
以上、基本公式3種について紐解いてみました。
・内分点の公式
・垂線の足の公式
・トラバース点の公式
これらは全て、共通の基礎公式、
[器械点の座標] + r∠θ
に基づいています。
しかし、あれらの公式のうち、少なくとも
・内分点の公式
・垂線の足の公式
・トラバース点の公式
この3つは同じ形を成しているので、暗記(というか、慣れてくると暗記ですらなくなりますが…)するのは容易です。その形とは、たったのこれだけ。

(A点の座標 : Ax + i*Ay)
B = A + r∠θ
器械点の座標にr∠θを足す。土台となる基礎的な考え方は、たったのこれだけです。
これは、複素数の世界で「極形式」、またの名を「フェーザ形式」と呼ばれている記号です。
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ここで話を冒頭に戻します。
これさえ知っていれば、内分点の座標も、垂線の足の座標も、トラバース点も、全く同様の考え方で導出が出来るのです。私は、これこそがフェーザ記号の最大の醍醐味ではないかと思っています。
以下、順に見ていきます。
まず、内分点からです。A点とB点は既知とし、それらをm対nに内分するC点の座標について考えてみます。
Deeper スマートソナー PRO+ - GPS ポータブル ワイヤレス
AとBは既知ですから、まずはそれらをメモリーキーに格納します。
A = Ax + i*Ay
B = Bx + i*By
C = A +Abs (B - A)*{ m /(m+n) }∠Arg(B-A)
一見複雑ですが、順に見ていけば中身は非常にシンプルです。
まず、前半から見ていきます。
Abs (B - A)
これは、「B-Aの絶対値」、すなわち、「AB間の距離」を表します。CASIOの電卓では、「Abs」という名前のボタンでこれが算出出来ます。(絶対値を取っているだけなので、A-Bでも一緒です)
Abs (B - A) = √{(Bx - Ax)^2 + (By - Ay)^2}
次に、その後ろです。
*{ m /(m+n) }
というわけで、まずは∠記号の手前にある
Abs (B - A)*{ m /(m+n) }
の正体が分かりました。これはずばり、器械点Aから視準点Cまでの距離を表します。
続いて、∠記号の後ろ側を見ていきます。
Arg(B-A)
これで、∠記号の後ろの意味も分かりました。これは、AからBへの方向角、つまり、器械点Aから視準点Cへの方向角を表します。
以上、2つ合わせれば、先ほどの式の意味はもうOKでしょう。
再掲します。
C = A +Abs (B - A)*{ m /(m+n) }∠Arg(B-A)
器械点の座標にr∠θを足す。基本通りの形です。
この場合、
r = Abs (B - A)*{ m /(m+n) }
θ = Arg(B-A)
ですね。これが、内分点の導出法です。
次は垂線の足について。今度はA点、B点、C点を既知とし、P点を未知とします。

この図のP点を求めてみます。まず、先と同様に、
A = Ax + i*Ay
B = Bx + i*By
C = Cx + i*Cy
とし、これらをメモリーに格納します。
まず、直線ACと直線ABとの挟角を求めます。
やり方は簡単で、一方の偏角からもう一方の偏角を引くだけです。
ここでは、この差の値をαと呼ぶことにしましょう。
Arg(B-A) - Arg(C-A) = α
場合によってはαがマイナスになることもありますが、その場合はαに360度足してあげてください。計算については、それで支障が出なくなります。
ここまでくればもう終わったも同然です。
P点はずばり、こうなります。
P = A + Abs(C-A)cosα∠Arg(B-A)
一つひとつ紐解いていきましょう。
まず、∠の手前から。
Abs(C-A)
これはAC間の距離ですね。これにcosαをかければAP間の距離になります。
これが分からないという方は、cosの定義を思い出してください。

というわけで、まずAbs(C-A)cosαは、器械点Aから視準点Pまでの距離を表します。
続いて、∠の後ろ。
Arg(B-A)
もう説明不要だと思います。器械点Aから点Bまでの方向角、つまり、器械点Aから視準点Pまでの方向角です。
これでもう、式の意味はOKですね。
再掲します。
P = A + Abs(C-A)cosα∠Arg(B-A)
器械点の座標にr∠θを足す。基本通りの形です。
この場合、
r = Abs(C-A)cosα
θ = Arg(B-A)
です。

もう、お約束の流れです。既知点の座標をメモリーに格納します。
A = Ax + i*Ay
B = Bx + i*By
これで終わったも同然です。
C点はこうなります。
C = A + r∠(Arg(A-B) + α - 180°)
順に見ていきましょう。
∠の手前のrは説明不要ですので、後半を見ていきます。
Arg(A-B) + α - 180°
これさえ分かれば、もう大丈夫だと思います。
再掲します。
C = A + r∠(Arg(A-B) + α - 180°)
器械点の座標にr∠θを足す。これまで同様、基本通りの形です。
この場合、
r = [与えられた値]
θ = Arg(A-B) + α - 180°
です。
以上、基本公式3種について紐解いてみました。
・内分点の公式
・垂線の足の公式
・トラバース点の公式
これらは全て、共通の基礎公式、
[器械点の座標] + r∠θ
に基づいています。